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2019年7月6日土曜日

<結婚のカタチ 3>後編

(つづき)

正男さんは二つの大きな問題を抱えていました。一つは「片付けられないこと」。彼の部屋を初めて見た時、かつて見たことがないほど散らかった部屋を見た陽子さんは…

この人との結婚を考え直す…

ということはせずに、

一緒に片付けを始め、専門業者を手配して彼と一緒に断捨離をしていきました。もう一つの問題も、ここでは具体的には言えませんが、彼女が当時携わっていた仕事のスキルが多いに役立ち、徹底的な解決に向かうことができました。

どちらも、長年彼一人では解決できない問題でした。しかし、彼女の存在と彼女がもつセンスやスキルが、彼の弱さと問題を大幅に解決にしてくれたのです。しかも、結婚前に…。

正男さんは、このことを通して、彼女との結婚を強く決心したそうです。迷惑をかけるのではないか、という心配以上に「陽子さんは自分の人生にとってかけがえのない存在、一緒に生きていきたい」という思いが強くなったのでしょう。

自分の弱さに踏み込まれることを嫌がる男性もいますが、13歳という年齢差もあるためか、正男さんは彼女の積極的な介入に嫌悪感を感じることなかったそうです。彼からは何度も「ありがたい」と感謝の言葉が出ていました。

 陽子さんも、発達障害とそれに伴う問題になぜこんなにも関わっているのか、大変さを感じながらも破談しようとは思わなかったのか、本人にもわからないまま、問題解決と結婚準備とが進んでいったようです。聖霊は時に人の意思や意識を超えて働れることがありますが、クリスチャンの婚活では特に見られる現象の一つです。

そうして、気づけば、出会って約8ヶ月、正男さんと陽子さんは結婚しました。その間にも、聖書のみことばと教会の方々、牧師先生、家族が二人を支えてくれたそうです。

 結婚生活はいかがですか?と聞くと、陽子さんは「お互いの意見を尊重しながら二人でうまくやってます。」正男さんは「独身の頃に比べて、生活環境は格段に良くなりました。色々な意味で『監督』が必要だった私にとって彼女は重要な存在です。」と言っていました。

 お二人にご自身の婚活をふりかえり、今婚活中の方々に伝えたいことを聞きました。
陽子さん:お付き合いの最中には色々とハプニングはつきもので、聖書を土台とした教えは対応してもらえるけど、現実的な悩みになると神様は「今すぐの悩み」には対応しては貰えないので「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。」(テサロニケ人への手紙5章16節~18節)を思い出して主人との結婚を耐えず祈り続けてきました。」
正男さん:よく、結婚することを「ゴールイン」と言いますが、むしろここから「スタート」だと思います。ここからがいろんな意味で長いので、幸せな結婚に導かれるよう主の祝福を祈ります。

 金沢には、壊れた陶器の割れ目を金で継ぎ、新たな価値ある器に生まれ変わらせる「金継ぎ」という修理技法があります。
信仰とみことばという金で継ぎ合わされ、想像を超えた結婚生活へと導かれたお二人の姿は、それだけで神の素晴らしさを映しだす「金継ぎの器」のようではないでしょうか。

 お二人の結婚生活がますます主の祝福の中で実り、多くの人たちの証となりますようにと祈ります。
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「結婚のカタチ」シリーズ連載をさせていただいている
ファミリーフォーラムマガジン2019年夏号

http://www.ffj.gr.jp/new/magazine.htm

マガジンにはいろんな結婚・恋愛・家族についての優良な記事がたくさんあります。
ぜひ、お求めください♪

2019年7月5日金曜日

<結婚のカタチ 3>前編


ファミリーフォーラムマガジンで連載をさせていただいている
「結婚のカタチ」シリーズ。
2019年夏号が発刊されました。

http://www.ffj.gr.jp/new/magazine.htm

マガジンにはいろんな結婚・恋愛・家族についての優良な記事がたくさんあります。
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今回マガジンでもご紹介した<結婚のカタチ>だけ
こちらでもご紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、年齢と障害を超えた結婚の証です。

<結婚のカタチ 金継ぎ編>前編
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これは、私が見させていただいた「想像を超えた主にある結婚」の証です。神が二人の男女を導き、一つの夫婦として結んでくださることを通して、私たちは「神が共におられる」「神様は全知全能のお方だ」ということを改めて教えられます。

「障害」の定義をご存知でしょうか。
日本の障害者基本法によると、障害者とは「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」とされています。つまり、身体的精神的弱さのために生活していく上で「障壁」があり、生活に制限を受けている状態です。「障害」は乗り越え難いものというイメージがありますが、「障壁」ならばアイディアや協力によってその「壁」を乗り越え、あるいは回避することができるのではないでしょうか。そうして、生活の制限を軽減することによって「障害」は「個性」になることもあるのです。

今回ご紹介するのは、年齢、障害による「壁」を神様がそれぞれに備えられた「賜物」と「アイディア」によって乗り越え、パズルのピースが合わさるように結ばれたお二人の結婚の証です。

金沢にお住いの正男さん(仮)と陽子さん(仮)は、金沢で行われていた超教派のクリスチャンの集まりで出会いました。
当時、正男さんは46歳、陽子さんは33歳。

正男さんは、30代の頃から牧師と将来のパートナーについて祈ってきましたが、牧師先生の積極的な祈りを受け、この頃本格的に婚活のために動き始めたそうです。

陽子さんも、周りの友人が次々と結婚していくのを見て、ちょうど婚活に本腰を入れ始めた頃でした。33歳という年齢は、婚活においてはそれほど遅い年齢とは言えませんが、彼女にとしてはとても焦りを感じていたそうです。

正男さんにも婚活にあたって心配なことがありました。彼は大人になってから自分が発達障害であることを知り、それが婚活や結婚生活に支障をきたすことになるかもしれないと危惧していたのです。

そんな二人が、結婚をテーマにした小さなクリスチャンの集まりで出会い、互いに共感する趣味を通じて意気投合しました。その後、改めて正式にお見合いをしたとき、正男さんは正直に自分の発達障害について陽子さんに話したそうです。陽子さんは驚きましたが、二人はお付き合いを進めることになりました。そしてその中で、実際に陽子さんは正男さんの発達障害の現実を見ることになりました。

正男さんは二つの大きな問題を抱えていました。一つは「片付けられないこと」。
彼の部屋を初めて見た時、かつて見たことがないほど散らかった部屋を見た陽子さんは・・・
(つづく)